2015年8月29日土曜日

不屈の人

あまり思い通りにはいかないまま八月も終わりに差し掛かっている。
2年前くらいから入退院を繰り返していた祖父が亡くなった。89歳。5浪して東大に入って、教員をやったり留学をしたり、会社の社長になったと思えばその会社が爆破されたり、若い頃の逸話がどこまで本当なのかはわからないけれど、僕にとってはただ寡黙で優しい祖父だった。
祖父の自宅から棺を載せた車を見送る時、僕らが祖父宅に遊びにきて帰る際には、いつでも祖父が僕らの車が見えなくなるまで外で手を振っていてくれたことを思い出した。この景色を祖父は見ていたのか、いつもこんな風に僕らを見送っていたのか、と思うと込み上げてくるものがあった。
祖父の告別式の日、僕は25歳になった。

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